こんにちは。栞です。
今回は、東京の板橋区にある町中華「丸鶴」の特製タンタン麺をレポートします。
東京都 板橋区 大山西町2−2
2024年5月16日現在、特製タンタン麺の提供は中止されており、メニューには掲載されていません。
ただ、丸鶴ファンとして一度は食べておくべき逸品なので、いつか来る提供再開に向けて、特製タンタン麺の魅力を余すところなくお届けします。
丸鶴のタンタン麵は「担々麵」に非ず
丸鶴の特製タンタン麵がこちらです。
真っ赤に染まったスープに大量の野菜炒めが載っており、一般的に想起される担々麺とはヴィジュアルが異なります。
実は、メニューの表記にもある通り、丸鶴のコレは「タンタン麺」であって、「担々麵」ではないのです。
一般的な担々麵は芝麻醤(チーマージャン)を用いているため、ゴマの風味が強く香り立つのが特徴です。
しかし、丸鶴のタンタン麺は芝麻醤やゴマを一切使用しておらず、ゴマの風味は一切ありません。
その代わり、豆板醤とラー油がたっぷりと使われており、私の味覚では激辛レベルでした。
別日に友人も食べていましたが、その友人も激辛と評していたことから、辛味が苦手な方は注意した方が良いでしょう。
スープの赤みはラー油のみで、豆板醤はスープの底に沈んでいます。
豆板醤はスプーン大匙1杯分の量が塊のまま沈んでいるため、最初の内はそこまで辛さを感じません。
ただ、この豆板醬を撹拌してスープと混ぜると、一気に辛さが増し、先述した通りの激辛に豹変します。
また、麺も適度に縮れているためスープと絡みやすく、麺を啜るごとに辛味が追ってきます。
一方、野菜炒めには豆板醤もラー油も使用されていないため、辛味は一切ありませんでした。
野菜炒めからはオイスターソースが香り立っており、また、胡椒のスパイシーさもアクセントになっていて食欲を増進してくれました。
丸鶴の調理動画を見ると、隠し味にカエシ(ラーメンスープの素)も使用されているので、この味は丸鶴にしか出せない仕様となっているようです。
丸鶴特製のタンタン麺はとにかく辛いですが、野菜炒めの旨味とのバランスが取れており、一度食べてたら病みつきになること間違いなしです。
提供時間が遅くなる場合あり
丸鶴の人気メニューはチャーハンなので、お客さんの9割がチャーハンを頼んでいます。
店主さんとしても同じメニューが連続でオーダーされた方が手間が省け調理時間が短くなり、その結果として、お客さんへの提供も速くなります。
ただ、このタンタン麺は野菜を炒めるという行程を踏むため、中華鍋を使用する必要があります。
つまり、タンタン麵用の野菜炒めを調理している間は中華鍋がこれに独占されてしまい、チャーハンの調理を同時に行えないという問題が発生するのです。
私がタンタン麵をオーダーした際、フロアの従業員の方から「時間がかかりますが、よろしいですか?」と聞かれたため、恐らく、タンタン麵は調理の順番が後になる可能性が高いと思われます。
しかし、遅いと言っても10分も待たずにタンタン麵が提供されたため、十分に速いと言えるレベルだと思います。
もし急ぎの用事が控えている場合などは、タンタン麵のオーダーは控えた方が良いかもしれません。
勝浦タンタンメンはなぜ辛いのか?
丸鶴のタンタン麵は一般的な担々麵とは違っていますが、これはルーツそのものが異なるのです。
実は、タンタン麵の発祥は茨城県 勝浦市で、その経緯から「勝浦タンタンメン」と呼ばれています。
勝浦タンタンメンは醤油をベースとしたスープで、そこに大量のラー油を加えることで出来上がります。
この過程を見ると、正に丸鶴の特製タンタン麵と同じであることが分かります。
ではなぜ、勝浦タンタンメンはこれほどまで激辛にするのでしょうか?
その理由は、勝浦タンタンメンを主に食べていた人間の職業が関係しています。
というのも、当時、この勝浦タンタンメンを主に食べていたのは海女や猟師だったのです。
海女や猟師は職業柄、毎日のように水(海)に触れるため、身体が冷えてしまいます。
さらに、冬の海となれば、その体感温度はマイナスにも感じるでしょう。
こうした状況下で冷え切った身体を直ぐに温めるため、激辛の勝浦タンタンメンが生まれたというわけです。
コメント