こんにちは。栞です。
今回は、東京の板橋区にある町中華「丸鶴」に行ってきました。
東京都 板橋区 大山西町2−2
以前から丸鶴には定期的に足を運んでおり、ガツンと来る濃厚なチャーハンの虜になっている私ですが、今回はラーメンもオーダーしてきましたので、そのレビューをお届けします。
丸鶴のラーメンは醤油強めの魚介系
今回オーダーしたのがこちらのラーメンです。
一見すると、昔ながらの醤油ラーメンですが、丸鶴のラーメンには油揚げが入っています。
この油揚げは甘ダレに付けてあり、口にした瞬間に甘じょっぱい風味が口いっぱいに広がります。
肝心のスープは醤油が強めですが、そのすぐ後に魚介系の風味が香ります。
丸鶴のスープは豚のガラと鶏のもみじ(脚)から仕込まれていますが、仕込む際にガラをトンカチで割り、骨の髄を露出させます。
こうすることで骨の髄からも旨味が滲み出て、より良質な出汁を取ることが出来るのです。
また、ガラともみじを煮込む際には豚の背脂(固形)も投入し、甘みも抽出します。
ただ、丸鶴のラーメンはこれとは別にもう一つのスープを混ぜて作られます。
もう一つのスープはカツオと昆布の魚介系で、これらの素材から滲み出た出汁を第二のスープとして使用しているのです。
そのため、丸鶴のスープを啜ると最初に醤油の風味がガツンと来ますが、その後に魚介系の風味が口に広がるというわけです。
いうなれば、”醤油と魚介の二段構え”と言ったところでしょうか。
麺は中太ちぢれ麺で、町中華でよく見かけるオーソドックスなタイプです。
麺の湯で具合も硬すぎず柔らか過ぎない程度で、万人受けの硬さとなっています。
ラーメン店なら麺の湯で具合を自分好みに調整できる場合が多いですが、丸鶴は超人気店ゆえ、お客さん1人1人に合う湯で具合には調整出来ないという現実があります。
そのため、硬めやバリカタが好きな方にとっては麺が柔らかいと感じるかもしれません。
ただ、それでも十分すぎる程に美味しいと感じることは間違いないでしょう。
チャーシューは特製ダレに2時間漬け込む
ラーメンに使用されているチャーシューはチャーハンにも使われており、丸鶴を語る上でチャーハンは避けては通れないほど絶品です。
チャーシューを漬け込む醤油ダレは丸鶴のオリジナルで、「カツオ節」「昆布」「煮干し」「カラメル」「ニンニク生姜」「牛すじ」などを含む13種類の具材と共に豚の肩ロースを煮込みます。
ただ、ここでポイントとなるのが「チャーシューは2時間でタレから上げる」ということです。
そうすることによって、タレがチャーシューの芯まで沁み込まず、過度にしょっぱくならなくなるのです。
さらに、丸鶴では豚肉を紐で結わないのです。
通常、チャーシュー用の肉は型崩れを防ぐために紐で結びます。
しかし、先述した通り、丸鶴のチャーシューは2時間でタレから上げるため、紐で結ばなくても型崩れしないのです。
また、必要以上に煮込まないため、肉の身が締まり過ぎず、柔らかい状態のまま提供できるというわけです。
ただ、丸鶴が現在のチャーシューに辿り着く前には試行錯誤の歴史があり、決して簡単に現在のチャーシューが出来上がったわけではないのです。
丸鶴のチャーシューには豚の肩ロースが使われていますが、以前のチャーシューは硬く、味もしょっぱかったといいます。
実は、改良前のチャーシューは紐で縛って、それを醤油に浸けて煮込んでいました。
そのため、当時のチャーシューは硬く、さらに端の部分が醤油で煮詰まってしまい、食べられない程にしょっぱくなっていたのです。
こうした状況下、チャーシューを残して帰るお客さんも少なくなく、これを憂慮した店主さんはチャーハンの改良に着手したというわけです。
チャーシューの主な改良点がこちらです。
●チャーシューを紐で縛らない
●生醤油(きじょうゆ)ではなくオリジナルの醤油で煮る
特に丸鶴のオリジナル醤油の開発には3年~5年を費やしており、現在の醤油が完成したのは1997年頃だといいます。
丸鶴がオープンしたのが1966年であることを考えると、オリジナルの醤油が完成するまでに32年もに歳月が経過していることになります。
丸鶴のチャーシューにはこの秘伝の醤油が必要不可欠であり、これを無くして丸鶴のチャーシューは語れないというわけです。
これほど手間暇をかけて完成したチャーシューが不味いなんてことは絶対にありません。
さらに、丸鶴ではチャーシューを使い分けており、ラーメンとチャーハンとでは使われているチャーシューの部分が異なります。
確かに、チャーハンに使用されているチャーシューは弾力に富んでおり歯ごたえがある一方、ラーメンのチャーシューはホロホロで、とろけるような食感がありました。
ちなみに、ラーメンに使用されているチャーシューは約15cmもあり、食べ応え抜群となっています。
チャーシューはチャーハンにも使われていますが、サイコロ状に大きくカットされており、こちらも食べ応え抜群となっているため、ぜひ一度ご賞味ください。
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